小杉高校とコラボ!『サイクルラック×ベンチ』製作発表会を実施しました

本日(12月9日)、富山県立小杉高等学校において、
ます寿司をモチーフにした『サイクルラック×ベンチ』の製作発表会を実施しました。

製品のデザインは小杉高校の生徒さん、
そして製作は当社が担当し、アイデアと技術を持ち寄って形にした共同プロジェクトです。

地域の魅力を発信しながら、自転車活用を促すことを目的とし、
当日は生徒のみなさんが実際に完成品を前に、デザインの意図や工夫を自分の言葉で解説・披露してくれました。

■ 地域の未来は、ひとつのアイデアから

12月9日、小杉高等学校におじゃまし、『サイクルラック×ベンチ』のお披露目に立ち会わせていただきました。
富山名物・ます寿司をイメージした丸みのあるフォルムが、冬の澄んだ空気のなかにふんわりと溶け込み、
「これは、きっと地域に自然と馴染んでいく存在になるな」
そんな第一印象を受けました。

このプロダクトが完成するまでには、
学校と企業、そして地域が少しずつ気持ちを寄せ合いながら進めてきた、小さくも確かな物語があります。

■ 「実践的な学びを、きちんと“使われる形”に」

小杉高校さんは、地域と連携しながら“リアルな学び”を大切に育ててきた学校。
ただ、良いアイデアが生まれても、それを実際に使われる製品として完成させることには、いくつもの壁があったそうです。

そこで今回のプロジェクトは、

アイデアで終わらせず、
地域の方が本当に使えるものにしたい。

そんな思いを共有するところからスタートしました。

生徒さんたちが、自分たちの考えに責任を持ち、一歩ずつ前に進もうとする姿勢に、
当社としても「ぜひ一緒に取り組みたい」という気持ちが自然と湧いてきました。

■ 生徒さんの“地域愛”が、デザインを一気に前へ進めた

最初の企画会議では、とにかくアイデアが止まりません。

「富山といえば、やっぱります寿司ですよね!」
「丸い形って、自転車とも相性が良いと思います」

そんな前向きな声が次々と飛び交い、
スケッチブックにはあっという間に線が増えていきました。

こうして生まれたのが、
ます寿司の“わっぱ”を思わせる曲線と、
自転車で訪れた人が気軽に腰掛けられるベンチ機能を併せ持ったデザインです。

■ 「この形を、外で安心して使えるものにする」

デザインが固まった後は、当社の製作チームがバトンを受け取ります。
ここで意識したのは、見た目の可愛さだけで終わらせないこと

屋外での使用に耐える強度、
木材と金属を組み合わせた構造、
そして、実際に人が使ったときの安心感。

「生徒さんのデザインをそのまま形にするだけではなく、
長く、安心して使ってもらえる“仕様”に落とし込むことが、
私たち企業側の役割だと考えました。」
ーー 浦島建材株式会社 中島専務

そうして完成したサイクルラック×ベンチは、
デザイン性と実用性をしっかり両立した仕様に仕上がっています。

■ デザインの裏側にある、確かな“つくり”

完成した製品には、細部まで工夫が詰め込まれています。

■ 製品寸法

  • 全長:146cm(ベンチ部のみ 123cm)
  • 全幅:147cm(テーブルを閉じた状態 120cm)
  • 高さ:111cm(座面高さ 42cm)

■ 素材〈ベンチ部〉

  • 表面:ラッピングシート
  • 脚部:鉄(錆止め塗布)
  • 座面・背もたれ・テーブル:木材(富山県産杉)
  • 側板:アルミパネル

■ 素材〈ラック部〉

  • 鉄(塗装)、保護材付き
  • 耐荷重制限:20kg(自転車へのキズ防止配慮)

■ 主な特徴

  • ます寿司を模したベンチ×サイクルラック一体型
  • 自転車2台駐輪可能(フック掛け・車輪差し込み)
  • 折りたたみ式丸テーブル(ます寿司の押し蓋モチーフ)
  • ひじ掛け付き
  • 鍵穴付き(2ヶ所)
  • スマホ用自撮り棒付き(丸テーブルに設置)

「かわいい」だけでなく、
使う人の動きやシーンまで想像してつくられていることが伝わる仕様です。

■ “線が立体になる”瞬間の、あの表情

製作途中の工場を訪れた生徒さんたちが、
自分たちの描いた線が、木材や鉄となって立ち上がるのを目にした瞬間。

驚きと喜びが一気に広がる、あの空気は忘れられません。
「本当にできてる…」
そんな声とともに、目を輝かせて見つめる姿がとても印象的でした。

■ 生徒さんの言葉が、すっと心に残った発表会

迎えた発表会当日。
冬のやわらかな陽差しの中で、サイクルラック×ベンチは静かに佇んでいました。

生徒さんのプレゼンテーションは、
デザインの工夫、制作の過程、そして地域への思いが自然に伝わる内容。

「地域の方に使ってもらえたら嬉しいです」
「自転車で来た人が、気軽に休める場所になったら」

その言葉一つひとつが、このプロダクトに温度を与えているように感じました。

■ この“ひとつ”が、地域の日常へ溶け込んでいく

今回の取り組みは、生徒さんにとって本物のものづくりに触れる貴重な経験となりました。
そして地域にとっては、自転車利用を支えながら、風景を少し豊かにする新しい存在が加わったことになります。

完成したサイクルラック×ベンチには、
たくさんの思いと学び、そして協働してきた時間が詰まっています。

ここで誰かがひと休みする、その何気ない瞬間の中に、
このプロジェクトで生まれた想いが、そっと息づいていく。

そんな日常の積み重ねが、
地域の未来をやさしく、確かに照らしていくのだと感じています。